建設業界の組織づくり

はじめに

私たち建設業では、多種多様な組織を構築します。今回は、サブコンの組織づくりを考えてみます。

組織は、その企業の存在意義を表しますから、組織づくりとしては「何を中心にするか?」ということを意識する必要があります。

サブコンとして、第一に考える存在意義は、技術力だと思います。専門知識を有し、困難な設計を形にするのが、いわゆるサブコンの腕の見せ所です。

「その技術力をどのように維持しつつ向上させるのか?」を組織的に助力するのが組織づくりの考え方です。一般的には「工務部」や「工事部」が現場管理や職人の配置や外注をマネジメントします。

この場合、この部門を統括する部長や取締役が、辿ってきた経歴によって、この組織の特徴を表します。

例えば、技術系の出身の場合は、より技術的な専門性を発揮しようとしますし、管理系の出身の場合は、より管理系の専門性を見せるようになります。

多くの建設業界の組織が、営業、技術、管理の3つの機能を持っていますが、この3つの機能の強みにも組織の特徴が現れます。

建設業の技能伝承と人材育成

現在、政・官・業(総合、専門工事業)一体と なって健全な建設産業を目指して取り組んでいる ところですが、特に人材確保、育成については大 変に力を入れていただいていることに感謝もして いるところです。担い手三法につきましても、適 切な価格での受発注、それに基づく他産業に負け ない賃金水準、休みが取れる適正工期の設定、安 定した仕事量による雇用の安定等々の整備によっ て、専門工事業者も体力がつき、経営も安定する ことによって定期採用も可能になります。 

 また、国の方でも各種助成金の支給はもちろ ん、2050年を見据えた「国土のグランドデザイ ン」が策定されておりますし、元請団体でありま す(一社)日本建設業連合会からも「再生と進化 に向けて」という建設業の長期ビジョンを示して いただいております。こうしたことは、キャリア 形成を示す上でも大変有難いことだと思っています。こうして、各方面から技能伝承、人材育成に ついて注目し、支援もいただいて感謝しておりま す。そして、直接雇用の我々専門工事業者に最大 の責任があることは十分承知しております。  したがって我々としての自助努力は当然です が、我々だけでは解決できない問題も数多くあり ます。

 引き続き、行政、元請の皆様と我々専門工 事業者が三位一体となって、且つ、スピード感を 持って課題解決に当たらねばと強く思うところで す。関係者の皆様方のご理解とご指導ご協力をよ ろしくお願い致します。

建設業界の将来を考えた時に、上記のような技能伝承と人材育成の問題は避けて通ることができません。

そして、その問題を解決するためにも、組織づくりという前提を考えることが必要になるのです。

その中でも営業系が強い企業の場合は、技能の伝承が大きな課題となりますし、その技能や技術を統括する人材の登用にも留意する必要があります。

逆に技術系の強い企業の場合は、営業力の維持向上や人事管理から経営管理などの管理業務にも課題があります。技術志向が強すぎて採算を軽視するようなことも発生しやすい問題です。

また、管理系の強い企業の場合は、営業と技術の維持向上を、人事管理の立場から構築することになりますが、その構築方法も一筋縄ではいかないものです。

おわりに

私たち建設業では、組織のあり方が大きく3つの方向に分かれます。

自社の特徴をしっかりと把握した上で、次の成長への道筋を考慮することが重要になります。特に人材育成は、企業の永続性にとって必要不可欠な要素です。自社の強みをより向上させるような人事政策を進めていきたいものです。

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